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●関連資格取得は「基礎学力」。中小企業診断士なら独立できる
有限会社ヌーズ・ヌーの社長を務める井上きよみさんが最初に資格に挑戦したのは、大学三年のときだった。簿記2級と販売士の資格を取得し、続いて大学四年の夏、中小企業診断士の一次試験に合格。卒業、就職でしばらくブランクがあった後、24歳の若さで中小企業診断士の資格を晴れて取得。ふつうはベテランのビジネスマンが挑戦する資格である。 資格取得にかかった時間は簿記2級が四ヶ月、販売士が二ヶ月、中小企業診断士の一次が約半年。すべて参考書を使ってひとりで勉強したそうだ。
「スムーズにいくつもの資格を取得できたのは、まず、学生で時間があり余っていたこと(笑)。それからそれぞれの資格が関連していたことが大きいですね。たとえば中小企業診断士には簿記や販売士で学んだことが基礎学力としてとても役立つので、効率的に学ぶことができるんです」と井上さんは語る。 それにしても若い身空で井上さんはなぜこんなに熱心に資格を取得したのだろうか。その理由は厳しい就職状況にあった。 「名古屋の大学に親元を離れて通っていたのですが、地方では地元の女性以外はコネがないかぎり、就職はむずかしいんです。少しでも自分の条件をよくしておこうと思って資格を取得しました」 しかし、現実は思っていた以上に厳しかった。いざ就職活動を始めると会社訪問さえも断られるなど、完全に門前払い。結局、電話帳を見ながら企業にかたっぱしから電話をかけ、飛び込みで求職活動をした末に、ようやくあるコンサルティング会社に採用が決まった。「資格」はあまり役に立たなかったのだ。 だが、二度目の就職では資格が大きな威力を発揮する。最初の会社を一年半ほどで退社した後、故郷の岡山で再就職活動を開始したところ「女性でもう24歳では・・・」と逃げ腰の会社が多かった中で、あるソフトハウスが「中小企業診断士の一次に合格するとは、頑張りましたね」と採用してくれたのだ。入社後、正式に中小企業診断士になると資格手当として毎月四万円が支給され、さらにしばらくして女性初の東京勤務が決定した。 「業務はソフト開発などで、私の取得した資格は関係なかったのですが、資格を取得したというそのこと自体を評価してもらったようです。資格はオールマイティに通用するものではありませんが、時には自分の社会的信用力になるのだと思いましたね」 厳しい就職状況をサバイバルしてきた井上さんの現実的な意見である。 独立して、いまの会社を設立したのは二年半前のこと。パソコンソフトのマニュアルや解説本の原稿を書いたり、ソフト開発といった仕事が中心だが中小企業診断士としての仕事も行っている。 「資格をとって一番よかったのは、人脈が広がったことです。中小企業診断士の集まりで知り合った方から人や仕事を紹介していただいたこともあります。でも資格はあくまでも仕事の入り口で役立つもの。そのあとは、結局本人の実力次第です」 ▲TOP << 26歳からの資格の本 企業診断 >> |