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本当にリナックスは身近になるのか
朝日新聞 2000年11月24日夕刊 「リナックス 組み込み情報機器に出番 画面付き電話や携帯端末に」より

 2000年11月26日 磯野康孝

リナックスは、パソコンを動かすための基本ソフト、いわゆるOSの一種である。少し前までは、大学の研究室といったちょっと特殊な環境を中心に利用されてきた、はっきり言ってマイナーなOSだ。それが、この1、2年俄然脚光を浴びるようになってきている。パソコンOSの約9割を占めるといわれているマイクロソフトWindowsの対抗馬として、その存在がクローズアップされてきたからである。

発端は、OSのマイクロソフト支配を嫌う反マイクロソフト陣営が、対抗し得るプラットフォームとしてリナックスに目を付けたというところだろう。もっとも、マイクロソフトの独占禁止法違反訴訟などの影響もあってか、大手パソコンメーカーも次々とリナックスのサポートを表明。先進的パソコンユーザーの間では、ちょっとしたブームになった感がある。

そんなリナックスが、小型情報機器の組み込み用OSとして改めて注目され始めているという。朝日の金曜日の夕刊には「どっとデジタル」というIT関連情報を載せるコーナーがあり、そこに掲載されたものだ。記事の大部分は、リナックスを組み込んだPDAなど情報機器の紹介だが、記事全体でリナックスがいかにも身近になるような口ぶりがどうにも気になった

一般的に、機器に組み込まれてしまうと、プログラム(OS)の本来の姿はユーザーからは見えなくなる。その機器のインターフェースの裏側で動くことになるからだ。こうなると、ユーザーにとってその機器がリナックスで動いているかどうかは、あまり意味を持たなくなる。パソコンにインストールして使うのとはわけが違うのである。

PDAのOSとして使う場合も、現在のリナックスをそのままというわけにはいかない。当然、PDAの持つハード環境に合うよう特化したものになる。その場合、ユーザーが従来のリナックスを意識することはないだろう。

もちろん、リナックスにはさまざまな種類がある。PDA用に特化したリナックスも大きな意味ではリナックスには変わりないが、記事のリードにあるような「一般の人にはなじみの薄かったリナックスが、家電製品のように身の回りで使われ始め」る状況とはまったく違う

紹介されている製品を見ても、今一つピンとこないものが多い。例えば、「象徴的な新製品」として挙げられている米カーバンゴのインターネットラジオ。インターネットを使った音声放送を受信する装置で、電話線やLAN回線につないで放送を受信する。来年1月に発売予定とのことだが、価格が299.99ドル!3万円以上もする代物なのだ。どういう人間が買うのだろう。

また、日本IBMが本社のワトソン研究所と共同で試作したという腕時計型PDAも、だから何なのだといいたい製品である。「スマートウォッチ」というらしいが、96×120ドットという極小画面でどんな情報をやりとりするのだろう。PDAの持つ機能を考えるとき、筆者には、過度の小型化にあまり意味があるようには思えないのだが・・。

しかも、どちらの製品もリナックスだからこそという部分が見えてこない。単に、業界のトレンドに乗ってリナックスを組み込んでみました、という印象しか受けないのだ。

リナックスは非常に優れたOSである。この点については論を待たない。そのOSが小型情報機器に組み込まれ始めている。この現状は理解できるが、そのこととリナックスというOS自体が「身近になる」ということとはまったく違う次元の話である。

リナックスは、日常的にWindowsを利用している一般ユーザーから見れば、GUI化が進んでいるとはいえ、まだまだ使いづらいOSであることは確かだ。このあたりを考慮せずブームに乗ったような内容のこの記事は、活字メディアの書き手の認識不足を改めて印象づけるものではないだろうか。彼らが書き続けるIT革命とはいったい・・。

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笑っちゃったスキマ商品「マウス型プリンター」
日経パソコン 2000年11月13日号 「New Products『カシオ計算機 パソコンでラベルが作れるマウス型プリンター』」より

 2000年11月10日 石田和子

ラベルプリンター「ネームランド」のcasioならではの商品である。
マウスの横に付箋紙を貼り付けたようにピロッとラベルが出ている「マウスプリンターKP-C50」エッグスタンドに立てた卵からベロッとラベルが出ている「スマートエッグKP-C10」
13ミリ幅、長さ60ミリの専用のロール紙に、印字幅は最大8ミリで最大3行まで、最長50ミリまで印刷できる。
パソコンのフォントがそのまま使用できる。
ラベルの裏はシールになっていて、裏紙は左右どちらか半分だけはがすことができるので、パソコンの画面の左側にさかさまになった付箋を貼ることもなくなる。
現物を見ていないので想像だが、多分マウスを持ったときに手のひらのあたる位置にロール紙をセットすることになる。

これまでも小さすぎるマウスは使いにくいと思っていたが、使いやすい大きさのマウスの持つ空間の中に何があるかなど、気にしたことものなかった。
雑誌でこのマウスプリンターの写真を見たとき、思わずマウスをひっくり返して、ボールをはずして中を見た。
そこからほこりは出てきたもののそれ以外に手のひらのしたの部分に何か入っている様子はない。

マウスのスキマを有効活用し、これまで入力手段としてしか考えられなかったマウスを出力機器にしたこの商品のアイディアに脱帽である。
久々に「スゴイ」と思えた商品である。

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