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| 2001年1月24日 磯野康孝 |
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物書きとペンネームは切っても切れない仲である。ペンネームを使うというと、何やらカッコよさを感じる部分があることも確かだろう。しかし、筆者の周りではあまりペンネームを使っているライターを見かけない(実用書だから?)。かくいう自分も本名で通している・・いや、通してきた・・。昨年出版した書籍2冊を、初めてペンネームにしたのだ。 筆者の代表作(というか売れた本)に「おとなのインターネット」というのがある。読んで字の如く、アダルトサイトを紹介する本で、発行は今から5年前の1996年。インターネットの商利用が開始された直後のことだ。全体の半分以上はインターネット接続に関する操作の解説だったが、サイト紹介ページをフルカラーにするなどの編集方針が受けて2,000円の価格にも関わらず数万部を売り上げた記憶がある。 この本、カバーには裸の外人女性がレイアウトされ、ショッキングピンクの表紙はかなり目立った。友人から本屋で手に取るのが恥ずかしいとまでいわれたことがある。アダルトということもあって出版前に担当編集からペンネーム使用の打診もされたが、それでもペンネームを使うことは考えなかった。特段、自分の名前をいいと思っているわけではないし、こだわっているわけでもない。マニュアルライティングの世界から出てきているせいもあるが(マニュアルでは著者名はでない)、もともとペンネームを意識してこなかったのだ。 そんな筆者が、なぜ突然2冊の本をペンネームで出したのか。その上、それぞれ違うペンネームを使ったのである。 早い話が版元(出版社)対策だったのだ。実は、ほぼ同時期に別々の出版社の仕事をしていたのである。もちろん、優先順位というものがある。しかし、この状況を正直に話せるものではない。時期が重なってしまった原因は、筆者の筆の遅さにあったからである。 そこで、考えたのがペンネームの利用だ。しかも、2冊とも違うペンネームを使うことにした。一方を従来の名前で出してしまっては、同時期に仕事を進めていて、どちらを優先したかばれてしまう。両方ともペンネームにしてしまえば、それぞれの版元には自社発行本の情報しかない(筆者の身元はわからない)からうまくいくと踏んだのだ。 ところが、別のところで書いていることが、筆者が常日頃懇意にしている版元の方にあっさりばれてしまった。実は、間に入っている編集プロダクションが、両方の版元と仕事をしていたのである。狭い業界なのだ。その編プロの筆者担当は口裏を合わせてくれていたのだが、他の編集者が件の版元の編集者に何かの発表会のときに会って「磯野さんがこれこれの本をうちで書いている」といってしまったらしい。「これこれ」はその版元で書いている内容ではなかったから一発でばれてしまったわけだ。気を回していろいろ画策したことが水泡と帰した瞬間である。 というわけで、一挙に3つの著者名を持つことになってしまった。しかも、真の狙いは大きくはずし、徒労に終わったのである。ほとぼりが冷めるまで、略歴のところに出版履歴として載せることもできない(片方の版元の手前がある)。 仕事はきちんとこなし、小細工はしない。新世紀、改めて誓った次第である。 |
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