| タイトル | 利益に繋げようインターネット |
| 掲載誌 |
雑誌 「小売店情報 商彩」(財団法人埼玉県中小企業振興公社) |
| 掲載年月 | 1999年12月(No.37) |
| 執筆者 | 石田賢治 |
| 記事の解説 | 当社の中小企業指導業務の一環として、埼玉県内のある組合の情報化支援を行っている。その仕事を通じ、埼玉県様から執筆依頼されたものである。 |
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私は常々インターネットに関する講演や講義において、インターネットは直接利潤の追求につながるツールであると説いてきました。ただ、利益を上げるには方法はひとつは売上を上げること、もうひとつはコストを圧縮することである。そしてインターネットを導入することで容易に達成できることは後者である点を力説してきました。 単純にインターネットを導入しても、容易には売上につながらないという認識が、最近になってようやく定着しつつあります。しかし、少し前まではマスコミが「インターネットで大もうけ!」という見出しを掲げるものですから、誰もがインターネットを導入しさえすれば売上がアップすると錯覚していました。
現に私の受講者に、受講動機を尋ねると「ホームページで商売をしたい」が圧倒的に多かったものです。ところが具体的にどのようなものを売りたいのかを尋ねるとみかんや炭(!!)など、インターネットで商売するメリットをあまりというか全く感じさせられないものばかりでした。 検索エンジンの使用スキルを磨けば、必要な情報を見出すのに、それまで図書館などに出かけて多くの本の中から必要な情報を見つけたり、あちこちに電話や手紙で問い合わせていたのが、オフィスにいながら短時間で達成できます。それは作業生産性の向上につながり、ビジネスコストの最も大きな位置を占める人件費を圧縮することができます。 電子メールが使えるようになれば、自分の都合の良いときに、また相手の都合を考慮に入れることなく連絡をとることができます。これにより、大切な考え事や重要な接客中に不要な電話連絡で思考や作業を中断されることをかなり防止できます。これも作業生産性の向上につながります。更にインターネットはプロバイダのアクセスポイントまでの通信コストの負担だけで済みます。したがって相手が日本の、いえ世界のどこにいようとも、また数十、数百人に宛てて同報メールを流しても、そのコスト負担は従来の電話やファクスのそれとは比べ物にならないほど軽くて済みます。 また、自社(店)のホームページの立ち上げまで達成できれば、従来の印刷媒体を使用する方法に比べ、常にお客様に最新の情報を、それも比べ物にならないほど安く提供することもできます。印刷媒体はプリントしてしまえば、その情報はその時点の内容で固定されてしまいます。また、それをお客様のもとに届けるために、別途輸送コストも生じます。新しい情報が発生したことを知らせるには、新しく印刷物を制作し、それを配布しなければなりません。そのコストもかなり大きな負担になってしまいます。それがホームページなら新しい情報をリアルタイムに反映させても、そのコストはとても安く上がります。 以前はプロに依頼するか猛勉強を要したホームページの構成も、最近では使い慣れたワープロや表計算ソフト、また操作の簡単なページ作成ソフトの普及により、誰もが簡単にページを作成することができるようになっています。これもそのままコスト圧縮に繋がるのです。インターネット導入を今もまだ迷ってらっしゃる方、とりあえずこうしたメリットを考えて、是非重い腰を上げてみてください。 ●そろそろ攻め(売上構築)に転じましょう そして、すでに導入を達成され、軌道に載りつつある皆さん。そろそろ次の段階に入っても良いのではないでしょうか。そうです、いよいよインターネットを売上に繋げるのです。世の中ではEC(Electoric Comerce:電子商取引)などかっこいいながらも実態の良くわからない言葉が一人歩きしていますが、そんなに怖がることはありません。従来の商取引をコンピュータやインターネットを使って行おうというだけのものです。 確かに大企業では伝票をはじめ様々なデータをできる限りデジタル化し、更にそうした情報をデータベース化して今後の企業経営に活かして…、という状況ではあります。しかし、何も中小企業がそうした点を真似することはありませんし、真似する余裕も無いでしょう。私は中小企業はとにかくできることから始める、これに尽きると考えます。 では、まず何を始めるのか。もちろんホームページや電子メールなどインターネットを使ってのビジネスです。中でもものを売るのに有効なツールは写真やビジュアル感ある文字を多用できるホームページによるものであることは、誰も異存が無いでしょう。そこでホームページにそうした情報を掲載します。しかし、それだけでは恐らくほとんどビジネスとして成立しないでしょう。なぜならば、そのページをどうやってユーザに知ってもらうかという点をまったく考慮に入れていないからです。 それではどうすればよいでしょう。いろいろな選択肢が考えられます。できるだけ多くの検索エンジンに登録する。著名なショッピングモールに参加する。ヒット数の多いページに広告費を支払って広告を出す。雑誌やテレビなど既存のメディアに広告を出すなどです。 一方、著名なシンクタンクや大手企業が主宰するモールとなると初期費用50〜200万円、維持費用が月当たり30〜100万円以上の資金が必要とされています。それでも必ず売れる保証は無いわけですのでおいそれと加入するわけにはいきません。 しかし、中には中小企業にとって心強いモールも数多くあります。それが、中小企業が運営しながらも、大企業が運営するそれと遜色が無い、むしろ斬新なアイデアと柔軟な運営でむしろ大企業のそれを凌駕している楽天市場や逸品です。
ただ、新規参入者に対するポリシーは両者で大きく異なっています。楽天市場はパソコンやホームページ作成スキルのあまり無い、いわば初心者でも比較的簡単にページが作成できるようなツールが用意されるなど入り口の敷居が低く作成されています。
一方の逸品は、参入者に「インターネットショッピングを「実験」と考えず、常に消費者が安心して買い物が出来るショッピングを、他のショップと協力して創り出そうとする意志があること」が求められます。具体的には、既存の顧客10名から推薦をもらうこと。十分にオンラインショップだけで利益を出していけるだけの売上を自力で上げていること。店主自身がウェブの一部または全部の制作と更新に関わっていることなどです。(詳細) こちらの方は条件がとても厳しく新規参入をここからというのは少々困難かもしれません。しかし、この達成にあたって努力を要するこの条件こそ、逸品モールの主宰者がこれまでの経験で培ったインターネットビジネスの経験則なのです。逆に見ればこのサイトはユーザから安心して買い物ができるサイトと映り、その結果として絶大な人気と売上を上げているのです。現に98年の参加店16店舗本店・逸品.com店全店の売上は約2億6000万円にのぼり、今年は月商1000万円に届こうとするショップが多数にのぼるとのことです。 こうしたことからインターネットでビジネスを志す者としては、いつかは、それもできる限り早急にこのサイトに参加できるように頑張ろう、というような気概を持つことが大切なのです。 ●はじめの一歩はオークションから しかし、まだこうしたモールに登録する決心がつかない、というのも販売したい商品がネットユーザに受け入れられるかどうかが不安だからだ。そういう方には「オークション」への参加や「クーポン」の使用を提案します。両者とも最近のネットビジネストレンドで注目されている要素です。 オークションを例にとると、ここにきて相次いで大規模なオークションサイトが立ち上がっています。ソフトバンクが立ち上げたオンセールやオリエントコーポレーションのオリコモールなどがそれです。 ところで、そうした中で面白い現象が起きています。オークションに出される商品は、こんなものに売値がつくの?というようなごみ同然のものから、パソコンやソフト、電化製品、ブランド品、家庭用品、そして一般市場に出回らないような希少品まで本当に様々です。それが実際どのような価格で落札されたかを観察してみました。するとパソコンやブランド品など人気が高い品目は、たとえそれが100円などただ同然からスタートしたとしても、すぐに市場価格相当の値がつけられ、以降は市場価格同等か、その一歩手前で落札されるのです。こんな値段で落札されるなんて信じられないという低価格で落札されることがほとんど無いのです。
●お勧めのヤフーオークション そこで提案なのですが、あなたの商品をこうしたオークションサイトに出品してみてはいかがでしょう。といっても、サイトの中にはモールのように出店料や出品料を徴収することころも少なくなく、どこでもよいというわけではありません。そうした中でお勧めなのが、検索サイト最大手のヤフーが運営しているyahooオークションです。 これらの非常に便利な機能を使ってビジネスをしたり、自分の自己紹介がすべて無料でできるのです。これは使わない手は無いのではないでしょうか。もちろん、思わぬ安値が付いたり、全く売れないということもあるかもしれません。しかし、裏返せばそれはインターネットユーザから見てあなたの商品に魅力が感じられないことを意味するのです。そうした商品を何の工夫もすることなく自分のホームページやモールに参加して販売しても結果は同じはずです。なぜ売れないのかを十分に分析し、その点を改善して再度チャレンジし、とにかく結果を出して、その結果をホームページやモールに反映すれば、インターネットビジネスも成功したも同然です。 ●決済方法もユーザの立場を考えて ECというと、前述のようにしっかりとしたデータベースシステムを構築していなければとか、ショッピングのための電子買い物カゴのシステムが無ければ、と説く人がいますが、それは大企業の話。中小企業はまず、始めてみることが肝要なのです。それでうまくいき、売上の上昇とともにかけられるコストの余裕も出てきたらはじめてそうしたものに食指を動かせばよいのです。 最後に決済方式についての情報を紹介して閉める事としましょう。ECの決済には各種振込み、カード決済(ページ上での決済を含む)などが考えられますが、前者は金融機関まで出向くのが面倒な上、時間がかなり限定されていますし、後者は手数料が予想外にかかってしまいます。そこでお勧めなのが、各運送会社が提供してる代引きサービスと、コンビニで決済できるコンビニ決済です。 代引きサービスの手数料は運送会社や取引金額により異なるものの、概ね数百円から千円程度の負担で済みます。振込みに出向かなくて良い点や、商品を受け取る前に代金を支払う不安から開放されるので、ユーザからも歓迎されるサービスです。
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