今、注目はオークション情報技術を「何故?」活用しなければならないのかの解説も今回のコマース、商業のテーマが最終回である。株の売買や、本やCD販売などネットを利用した商業形態は色々あるが、そうした中で今、急速に伸びてきているジャンルがオークションだ。 現在オリコやヤフー(米国)などが積極的に展開し、新サイトの立ち上げも目立つ。米国では既にその売上が数千億円にものぼるというから驚きだ。 ヒットの要因には同じものなら少しでも安く買いたいという消費者心理が働いている。こう思うのは企業も同じで、扱う商材を入手するためのコンペをインターネットで試みた企業がある。
ミスミ成功の要因
東証1部の商社「ミスミ」がそれだ。ここのビジネススタイルはとても変わっている。まず商社なのに営業マンがいない。その代りを70万冊も発行されるカタログが担う。
同社の主力商品はプレス金型部品など従来は注文設計生産が殆どのものだ。そこで同社は商品の仕様や規格の標準化を進めてカタログ注文を可能にし、同時に生産・流通過程の大幅な合理化にも成功した。そのため社員数は230名ながら(99.4現在)売上380億円、経常利益は43億円で5期連続最高益という業績をあげている。 メイン顧客の製造業者のネット化が遅れたため現状の受注形態の主力はファクスだが、ここに来て急速にネットを使ったEDI(電子データ交換)も伸びてきたという。 ここで注目したいのが、ミスミの取引形態が今まさにカタログやファクスの紙ベースからネットワークベースに進化の最中である点だ。この点や決済方法の変化をしっかり定点観測すれば、自社の商業形態を今後どう変えれば良いかの重要なヒントを得ることができる。
持たざる経営でも持たねばならないものミスミは顧客ニーズを原点にビジネス展開をする「マーケットアウト・ビジネス」を標榜している。これを実現し、稼動状態や効率に左右されず顧客ニーズに柔軟に対応するため、ミスミは生産設備を持たない。それだけでなく組織も大幅に絞り込まれ、何と人事部や情報システム部までをもアウトソーシングしている。これが同社の経営ポリシーのもう1つの特徴「持たざる経営」だ。 それが納期遵守率99.94%という数値や、ユーザーのリクエストがまとまれば必ず製品化するなど他社に真似できない付加価値になる。そしてそこには情報システムが大きく役立っている。つまり「持たざる経営」であっても「情報」は不可欠なのだ。
オープンにするなら徹底的に同社は更に情報はガラス張りにという「オープンポリシー」を持つ。そのためホームページには月次の販売目標と実績が、カタログにも納期、諸条件などの詳細情報までが明記されユーザーの信頼を得ている。また、購入価格や数量などの取引条件を明示し、それに応じられればどこの企業とでも契約するオープンコンペティション制も同社は採用している。これは提示条件に満足するなら誰でも参加できる冒頭のオークションに似ている。 かつてはこのコンペをインターネットで行っていた。製品の仕入れ値などの契約条件など全てオープンにし、世界中からパートナーを募ったのだ。当時はその大胆さに他社は度肝を抜かれた。 ただ時期尚早でレスポンスが良くなく、その試みは現在は一時休止している。だが、ここにきて中小企業にまでネット化が進展してきたので再開の声も出始めているとのことだ。これも新規取引法を見出す意味から注目だ。
商売の新しい橋渡し役これまでは売りたい、買いたいという両者を結びつけるために多額のコストを要する営業マンの雇用や広告が必要だった。しかし今後この役割にネットワークが加わるのは、冒頭のオークションの例からも明らかである。あなたの製品を求める人が情報発信しているかも、逆にこうした製品を買いたい、買いませんかと意思表示をすれば反応があるかもしれないのだ。ターゲットは世界中、コストも驚くほど安く、これからは決済もネット上で行える。こうした点を読み取り、御社での情報技術の導入・活用のきっかけと本稿がなったなら幸いである。 ■関連サイト
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