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パソコンは書き手泣かせ   〜矛盾を抱えつつも私は書く〜
 1999年12月23日 井上 きよみ

今年も雑誌のレギュラー記事に追われた1年だった。やっと終わったかと思えば、すぐ次の号。月刊誌でこうだから、週刊誌とかの書き手はホントにすごいと思う。

そうとはいえ「初歩のパソコン」 も今年の執筆、つまり2000年2月号までの執筆はすべて終わり、一息ついたところだ。

●メインを2ページにしたばかりに

毎月4点の新製品を紹介する「おすすめキキ!」。私からの提案で、メインとなる製品の紹介枠を1ページから2ページへと拡大した。初心者にとって知りたい内容を書くには1ページでは足りないからだ。

しかし、今年を振り返ってみると、2ページにしたことで、大変になったことも。自業自得ではあるけれど。

●書き手泣かせは

特に困るのは、こんな時。  

  • 4点の中にパソコン本体が複数  
  • メイン記事の製品特徴が少ないとき

職業柄「どのパソコンを買ったらいい?」とよく聞かれる。その人のニーズや予算を聞きながら、ある程度の絞り込みはできるが、そこから先は「どうぞお好きなものを」としか言いようがない。つまりは似たり寄ったりなのだ。似たり寄ったりだから、どのメーカーもそこそこのシェアを維持し、決して1メーカーの突出にはならない。

だから、同じ号で複数のパソコン本体の紹介をするのは苦労する。それもデスクトップばかりとかノートばかりだと、さらに困る。
パソコンのCMでインターネットがすぐにできることを各社ともうたっているが、この部分はどのメーカーとも力を入れているので、もはや差別化が困難。それ以外の部分でもほとんど右に倣え状態だ。
ホントにそれぞれのパソコンを文面上でどう違わせるか、四苦八苦である。

●広告が絡むから

もう一つの困りものが、特徴の少ないパソコン。メイン記事の製品にそんなのが来たら泣いてしまう。どのパソコンだって1つくらいは特徴があるが、2ページを埋めるにはそれでは少なすぎる。
使う身になれば、ノーマルなパソコンほど使いやすいし飽きが来ない
と思っているのだが、記事にするとなると話が違う。奇抜なパソコンほど書きやすい。価格、性能、デザインのどの面でも書ける要素があるからだ。

だから私は時々、書きやすそうなパソコンが発売されるという話を聞くと、早々に出版社に「あれが書きたい」と告げる。
しかし、世の中思うとおりには運ばない。

実は、広告タイアップがあり、メイン記事で紹介するものの多くが、雑誌の表紙を飾ることになる。読者はもちろん、スポンサーあっての雑誌だから仕方がない。

●書きやすかったパソコン、でも・・・

この半年ほどを振り返ると、書きやすかったのは、10月号のS社「e-one」と11月号のN社「simplem」。

でも、私の書いたe-oneのスケルトンモデルはもはや存在しない。あの訴訟のためだ。
また、simplemは実機を手にすることも見ることもなく、パンフレットとリリースのみで記事を書いた。その中で「美しい」と褒めたたえたが、店頭に並んだ製品を見て、私はちっとも美しいとは思わなかった。それだけパンフレット作りがうまいとも言えるが、今となっては、本当のことを書いていなかったという後悔の念もある。

●書きにくかったパソコン、でも・・・

反対に書きにくかったのは、2000年2月号のG社「Neo」。10万円を切るパソコンでコストパフォーマンスは素晴らしい。が、それ以外の特徴を必死で見つけ、やっとの思いで2ページを埋めた。

でも、講師を担当したパソコン講座の受講者から「先生、パソコン何買ったらいい?」と聞かれ、Neoを候補の一つにあげた。

こんな矛盾をかかえつつも、来年も私はきっと記事を書いているだろう。

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